フランス~ゲランド塩田を訪ねて~



ゲランド塩田へ



ゲランド塩田の地図です。
パリから新幹線で3時間。ここはブルターニュ地方とも呼ばれており、その名の通り「ブルトン/イギリス」との船による交易も盛んにおこなわれました。


ゲランド上空より現在の塩田をのぞむ。
ゲランド半島は400メートルに及ぶ遠浅の海岸を持ちます。丘の上からなだらかな傾斜に並んで作られた数々の塩田です。塩田では潮の満ち引きを利用し、海水を引き入れ太陽と風の力で海水の蒸発を待つ昔ながらの塩作り。一年かけて自然に結晶を待つ古代の塩作りを実践されています。
塩作りは古代よりこの地域の人々の生活の糧、多くの個人事業主によって何世代も塩作りを引き継がれてきました。
半島の岬には灯台があり、航行する船に遠浅の危険を知らせています。湾内では牡蠣の養殖も盛んにおこなわれています。牡蠣料理はゲランド名物の一つでもあります。



ゲランド塩生産者組合のお店。TERRE DE SEL(塩の畑)と書いてありますね。
塩生産者組合さんは、一度は廃れた伝統の塩作りを今日に復活させ、多くの塩職人を団結させた仕掛人です。
いまや大量生産できる塩なのに、なぜ?
ここにゲランドの魅力があり、世界中から訪れる人々が堪えることがありません。


生産者組合製造のゲランド塩のロゴです。


私たちがゲランドを訪れたのは冬2月。この時期は塩田も冬眠します。昨年秋に収穫を終えた塩田では昆虫や微生物、蟹や貝などが暮らしています。周囲一帯は自然保護区になっていますから、薬剤の散布などは有りません。私たちのそばをかもめが飛んでいきます。


午後2時のゲランド塩田。


午後3時半の塩田の太陽。
ヨーロッパの冬は昼間が短いですね。
もうこの時間には夕方の光に変わりました。


一日お付き合い下さった案内係のエマニュエルさん。
指差しているのは岬の灯台。湾の中へは船は入れませんよ、と。
エマニュエルさんに恐るおそる尋ねました。
「私たちは、あなた方のお塩を用いてブレンドしたハーブソルトを販売しているのですが、問題ありませんか・・・?」
手渡したこもれびガーデンのハーブソルトを受け取りながら、にっこりと笑ってくださったエマニュエルさん、
「私たちの塩を買ってくださって有難う。」
よかった、気になっていたことが一気に解決しました!!



お店の中には自由に味見できるお塩が置いてあります。


布袋で取引されていたのですね。
お土産仕様の布袋パッケージ。いいですね!


商品群。最初に収穫する一番塩(塩の花)、粗塩、細粒塩、そして海藻を混ぜた藻塩、スパイスを混ぜた塩、そして塩キャラメルなどもありました!


塩田から少し大地を上ったところに、東西南北4つの城門を構える立派な石造りの要塞、城跡のような地域がありました。これは予想外でした。
この像は塩作りを手伝う子供の像。


要塞の中。石作の建物に石畳。これだけの石をどこから運んできたのだろう。
10世紀頃、ゲランド半島はケルト人やヴァイキングから幾度も攻め入られたそうです。フランスの人々はゲランド半島にブルターニュ公国を築いて戦ったと言います。以来続くゲランドの街並みなんですね。1000年経ってもひとが住む石造り。お塩を売る売店も、教会も、レストランもありました。


城壁内のお土産店。これは陶器の塩入れです。


外界と遮断する4つの門の一つに立ってみました。戦の時にはこの門を閉めるんですね。


農業立国フランス。確かに豊かな自然に恵まれた日当たりのよい国。家畜や農産物に恵まれた地域、水も豊富な印象です。ワインやチーズ、ゲランド塩、美味しいものがいっぱいのフランスです。

●ゲランド塩田紀行について、もっと詳しく知りたい!という方は、こちらのブログをぜひご覧ください。→→【こもれびガーデン母娘な日々】